FPGは900円近辺で下値固め完了、収益拡大基調を評価して出直り

  タックス・リース・アレンジメント事業を主力に総合金融サービスを展開するFPG <7148> の株価は、足元は反発力がやや鈍く900円台前半の水準で推移しているが、900円近辺での下値固めは完了しているようだ。収益拡大基調を評価して出直り展開だろう。なお7月30日に第3四半期累計(10月~6月)の業績発表を予定している。   子会社(特別目的会社SPC)が運営するオペレーティング・リース事業の組成・販売・管理などを行うタックス・リース・アレンジメント事業を主力として、保険事業(保険仲立人)、M&Aアドバイザリー事業、プライベートバンキング事業、不動産関連事業なども展開している。   タックス・リース・アレンジメント事業は、航空機・船舶・海上輸送用コンテナなど、大型輸送設備を主対象としてリース組成し、出資金販売に伴うSPCからの手数料収入を収益柱としている。   13年11月には、独立系の大手航空機リースマネジメント会社であるアメンタム社(アイルランド)の株式25%を取得して資本業務提携し、航空機リース組成事業を強化した。そして14年6月には、アメンタム社と航空機を対象にした日本型オペレーティング・リース第1号案件の組成を行った。   高収益オーナー企業や富裕層などの投資家に対して、各種金融商品・サービスを提供するワンストップ型総合金融サービス会社を目指し、収益構造の多角化に向けた取り組みを推進している。13年3月にFPG証券(旧フィンテックグローバル証券)を子会社化して証券業、13年6月に子会社FPGリアルエステートを設立して不動産関連事業、14年4月に第一投資顧問を子会社化して投資顧問業に進出した。   なお投資家がリース事業に出資するか否かの意思決定は、投資家自身の業績動向が判明する決算月近くに行われる傾向があるため、当社の売上高は第2四半期(1月~3月)および第4四半期(7月~9月)に集中する傾向が強い収益構造である。   今期(14年9月期)の連結業績見通しについては7月14日に増額修正を発表した。4月16日に次ぐ2回目の増額修正で売上高は前期比40.9%増の56億53百万円、営業利益は同45.0%増の30億22百万円、経常利益は同41.7%増の27億78百万円、純利益は同43.5%増の17億円とした。タックス・リース・アレンジメント事業で出資金販売額が想定を上回る水準で推移し、逆にコスト面では各種費用の発生が想定を下回る水準で推移しているようだ。配当予想は前回予想を据え置いて年間16円50銭(期末一括)としている。13年6月1日付の株式3分割を考慮すると実質的に16銭増配となる。   信用力向上に伴って、全国の会計事務所や金融機関からの顧客(投資家)紹介が一段と増加傾向のようだ。企業収益の改善なども背景に出資金販売額が大幅に増加して、業容拡大に伴う人件費や経費の増加を吸収する。出資金に含まれる手数料率は概ね14~15%の高水準を維持しているようだ。通期3回目の増額の可能性があるだろう。   10年9月JASDAQ市場上場、11年10月東証2部市場上場、12年10月東証1部市場への指定替えによって信用力が向上し、公募増資や利益積み上げによる財務体質向上効果も寄与して、販売提携先からの紹介を含めた投資家に対する出資金販売力、金融機関からの資金調達力、そしてリース事業の案件組成能力が大幅に強化されている。ワンストップ型総合金融サービス会社を目指して参入した新規分野も寄与して、中期的に収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、6月27日に859円まで急落する場面があったが、すぐに切り返して7月7日に972円、そして7月15日に979円まで反発する場面があった。足元は反発力がやや鈍く900円台前半の水準で推移しているが、900円近辺での下値固めは完了しているようだ。   7月28日の終値927円を指標面で見ると、今期予想連結PER(新株式発行を考慮した会社予想の連結EPS61円74銭で算出)は15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円50銭で算出)は1.8%近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、900円近辺での下値固めが完了して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
タックス・リース・アレンジメント事業を主力に総合金融サービスを展開するFPG<7148>(東1)の株価は、足元は反発力がやや鈍く900円台前半の水準で推移しているが、900円近辺での下値固めは完了しているようだ。
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2014-07-29 09:15