ラクーンは中期成長力を評価して出直りの流れに変化なし、再動意のタイミング

  企業間電子商取引(EC)サイトを運営するラクーン <3031> (東マ)の株価は、5月安値394円から6月3日の596円まで切り返した。その後は戻り一服の形だが、5月安値水準まで下押す動きは見られず概ね500円~550円近辺で堅調に推移している。中期成長力を評価して出直りの流れに変化はなく、再動意のタイミングだろう。   アパレル・雑貨分野の企業間ECサイト「スーパーデリバリー」の運営を主力として、BtoB掛売り・請求書決済代行サービス「Paid(ペイド)」や「売掛債権保証」など周辺分野にも事業領域を広げている。   企業間ECサイト「スーパーデリバリー」は、質の高い会員小売店と出展企業の獲得、利便性の高いサービスの提供、ブランド力向上などで客単価や稼働率の向上に取り組み、前期(14年4月期)末時点で会員小売店は4万441店舗(前々期末比3901店舗増加)、出展企業は948社(同13社減少)、商材掲載数は45万3115点(同8万3396点増加)となった。   新規事業として14年3月からクラウド受発注ツール「COREC(コレック)」の提供を開始した。利用企業の業種や規模を問わずBtoBにおける受発注をWeb一元管理できるクラウド受発注ツールで、前期末時点のユーザー数は384社となった。利用企業の業種や規模に縛られない「Paid」や「売掛債権保証」に続くサービスとして事業を拡大する。   業容拡大に向けて、14年3月には連結子会社トラスト&グロースが宅建ブレインズと業務提携し、宅建ブレインズの居住用家賃保証サービス「宅建ハトさん保証」の新商品である事業用家賃保証サービスの保証業務をトラスト&グロースが開始した。14年5月には企業間ECサイト「スーパーデリバリー」内に什器や梱包資材だけを扱う「什器・資材市場」を新設した。また14年7月には「Paid」でWeb口座振替受付サービスを開始した。   今期(15年4月期)の連結業績見通し(6月6日公表)については売上高が106億円~109億円(前期比3.5%増~6.4%増)、営業利益が2億75百万円~2億85百万円(同11.3%増~15.4%増)、経常利益が2億70百万円~2億80百万円(同8.9%増~12.9%増)、純利益が1億45百万円~1億55百万円(同17.9%増~26.0%増)で、配当予想は未定としている。   EC事業では、質の高い会員小売店と出展企業の獲得、利便性の高いサービス提供などで客単価や稼働率の向上を図り、企業間ECサイト「スーパーデリバリー」の商品売上高が順調に増加する。クラウド受発注ツール「COREC(コレック)」の14年9月からのビジネスプラン課金開始や、売掛債権保証事業の営業損益改善も寄与して増収増益見込みだ。中期的にも収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、5月20日の年初来安値394円から切り返しの展開となり、6月3日の596円までほぼ一本調子に急伸した。その後は利益確定売りで戻り一服の形となったが、5月安値水準まで下押す動きは見られず、概ね500円~550円近辺で堅調に推移している。出直りの流れに変化はないだろう。   7月28日の終値523円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社レンジ予想の連結EPS上限値26円52銭で算出)は19~20倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS264円17銭で算出)は2.0倍近辺である。週足チャートで見ると、13週移動平均線が下値を支えて26週移動平均線突破の動きを強めている。中期成長力を評価して出直りの流れに変化はなく、短期調整が一巡して再動意のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
企業間電子商取引(EC)サイトを運営するラクーン<3031>(東マ)の株価は、5月安値394円から6月3日の596円まで切り返した。
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2014-07-29 09:30