星光PMCは今期営業増益見通しを支援材料に反発のタイミング
製紙用薬品の星光PMC <4963> の株価は、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)人気が一巡して動意薄となり、足元は1200円近辺で推移している。ただし5月の直近安値1004円水準まで下押す動きは見られない。調整のほぼ最終局面のようだ。今期(14年12月期)営業増益見通しを支援材料に反発のタイミングだろう。
DIC <4631> の子会社で製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業を展開している。高付加価値・差別化商品の市場投入・拡販、セルロースナノファイバー(CNF)や導電性ナノ材料(銀ナノワイヤ)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。さらに事業領域拡大に向けて14年4月には、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化した。
CNFは自動車用樹脂の強度・寸法安定性向上や金属部材置換、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待され、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指している。13年2月には経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、補助金を活用して竜ヶ崎工場にパイロットプラントを設置した。
今期(14年12月期)の連結業績見通し(2月12日公表)は、売上高が261億60百万円、営業利益が11億円、経常利益が11億80百万円、純利益が7億30百万円としている。決算期変更のため9ヶ月決算だった前期との単純比較はできないが、前年同期間(13年1月~12月)との比較で見ると21.7%増収、19.2%営業増益、8.1%経常減益、14.8%最終減益となる。配当予想については前期(年間9円)と実質的に同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。
為替差益一巡や税金費用正常化で経常減益、最終減益だが、需要回復、高付加価値・差別化商品の拡販、プロダクトミックスの改善、事業領域の拡大、海外事業の収益改善などの効果で増収となり、ロジンなど原材料価格上昇を吸収して営業増益の見込みだ。なお新規連結のKJケミカルズの業績見込みを織り込んでいるが、負ののれん発生が予想される特別利益については、現時点で金額算定が困難なため織り込んでいないとしている。通期純利益の上振れ要因となりそうだ。
中期経営目標としては、18年12月期の連結売上高350億円(製紙用薬品事業200億円、樹脂事業150億円)、連結営業利益35億円、売上高営業利益率10%、海外事業売上高比率20%、新規事業領域売上高比率10%を掲げている。
株価の動きを見ると、5月の直近安値1004円から6月の1440円まで切り返したが、その後は反落して上値を切り下げる展開となった。次世代素材CNF人気が一巡して動意薄となり、足元は概ね1200円近辺で推移している。ただし5月安値水準まで下押す動きは見られない。調整のほぼ最終局面のようだ。
7月28日の終値1142円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円07銭で算出)は47倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS663円98銭で算出)は1.7倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。調整が一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
製紙用薬品の星光PMC<4963>(東1)の株価は、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)人気が一巡して動意薄となり、足元は1200円近辺で推移している。
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2014-07-29 09:30