カーリットHDは急伸の反動調整局面だが、過熱感が解消して再動意のタイミング、低PBRも支援材料

  カーリットホールディングス <4275> の株価は、2次電池関連を材料視した6月17日の高値685円から利益確定売りで反落し、急伸の反動調整局面のようだ。ただし動意前水準まで下押す動きは見られず、580円~600円近辺で堅調に推移している。低PBRも支援材料であり、目先的な過熱感が解消して再動意のタイミングだろう。7月30日に第1四半期(4月~6月)の業績発表を予定している。   日本カーリットが純粋持株会社を設立して13年10月東証1部市場に上場した。化学品事業(産業用爆薬、緊急保安炎筒・信号炎管、危険性評価試験受託、化成品関連、電子材料・機能性材料関連など)、ボトリング事業、産業用部材事業(半導体用シリコンウェーハ、研削材、耐火・耐熱金物など)を展開している。   自動車用緊急保安炎筒の国内市場シェアは約8~9割と想定される。ボトリング事業は伊藤園 <2593> 向けが主力である。半導体用シリコンウェーハ事業は小口径4~6インチのニッチ市場を主力としている。また海外は中国・上海、シンガポールに展開している。   前中期経営計画「飛躍500」では「事業領域の拡大、市場の拡大、シェアの拡大という、3つの拡大戦略により売上高500億円の化学会社への成長」を基本方針として、グループ収益基盤と総合力強化に向けたM&A戦略を積極展開して事業を多様化してきた。13年10月には一級建築士事務所の総合設計を子会社化して上下水道・排水処理施設設計分野に進出した。そして14年2月には東洋発條工業を子会社化した。自動車・建設機械向けを中心とした各種スプリング製造・販売分野に事業展開し、耐火・耐熱金物の並田機工などと合わせた産業用部材事業を新たな収益の柱とする方針だ。   今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月15日公表)は、売上高が前期比18.0%増の470億円、営業利益が同0.3%増の16億円、経常利益が同1.4%増の17億円、純利益が同28.1%減の9億円で、配当予想は前期と同額の年間10円(期末一括)としている。純利益は固定資産売却益が一巡して減益見込みだが、自動車関連の好調が牽引し、M&A効果も寄与して大幅増収見込みだ。   セグメント別売上高の計画は、化学品事業が2次電池充放電受託試験の本格稼働、緊急脱出用ガラス破壊具付き自動車用緊急保安炎筒「ハイフレヤープラスピック」の拡販、工業薬品のシェア拡大、光機能性材料の車載用・建材用熱線遮蔽フィルムの販売開始などで同13.0%増の170億円、ボトリング事業がホット飲料の増産体制構築などで同4.6%増の200億円、産業用部材事業が東洋発條工業の通期連結、並田機工のごみ焼却場向け新商品投入などで同77.4%増の90億円としている。   株価の動きを見ると、2次電池関連を材料視した6月17日の高値685円から利益確定売りで一旦反落して急伸の反動調整局面のようだ。ただし動意前の450円~500円近辺の水準まで下押す動きは見られず、概ね580円~600円近辺で堅調に推移している。   7月28日の終値585円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS43円71銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS922円98銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると強基調に転換して13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。低PBRも支援材料であり、目先的な過熱感が解消して再動意のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
カーリットホールディングス<4275>(東1)の株価は、2次電池関連を材料視した6月17日の高値685円から利益確定売りで反落し、急伸の反動調整局面のようだ。
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2014-07-29 10:30