中国の東部沿海「地方都市」 住宅市場に「崩壊の恐れ」と専門家

中国政府系のシンクタンク、中国社会科学院に付属する都市と競争力研究センターの倪鵬飛主任は28日、「東部の2、3線都市ででは「市場の崩壊が完全にありえる」と述べた。倪主任は同院戦略研究院が同日に発表した2014年「中国住宅発展(中期)報告」の編集責任者だ。中国新聞社が報じた。
「中国住宅発展(中期)報告」としては中国の住宅市場について、短期的に価格の下落は避けられないが、住宅価格全体の「崩壊」はありえないとの見方を示した。
倪主任も不動産市場全体の崩壊はありえないとの見方を示したが、これまでの値上がり率が大きく、住宅供給量が大きかった東部の2、3線級都市で、住宅市場の「崩壊現象は完全にありうる」と述べた。
中国ではよく、都市を1線、2線、3線と分類する。1線都市は全国的に強い影響力を持つ都市で、北京、上海、広州(広東省)、深セン(同)で、天津を加える場合もある。
2線都市は南京(江蘇省)、武漢(湖北省)、瀋陽(遼寧省)、西安(陝西省)、成都(四川省)、重慶などで、おおむね省内あるいは周辺の省に対しても影響力を持つ都市。3線都市は省内に大きな影響を持つ都市。2線、3線都市は、比較的重要な地方都市と考えてよい。
中国政府発表によると、2014年1月の全国不動産市場動向で、住宅価格が「前月比で下落」と発表されたのは70都市中6都市だった。しかし6月には55都市で価格が下落した。前年同月比で価格が上昇したのは温州市(浙江省)だけだった。
倪主任は「例えば浙江省内の都市を例にすると」と言い、「同省では、温州市以外は市場崩壊のリスクが比較的大きい」と述べた。
倪主任は「短期的には市場による価格調整が避けられない」、「普通商品住宅の価格は2、3年の調整期を迎えるだろう」と述べた。ただし市場全体では今後10年にわたり、減速しつつも成長が続き、衰退や不況に見舞われることはないという。
社会科学院財経戦略研究院助理研究員の李超博士は、中国における住宅市場のターニング・ポイントは2020-2025年に訪れると予測。その時点を過ぎれば、中国において住宅需要が急速に伸びる条件はなくなるという。(編集担当:如月隼人)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
中国政府系のシンクタンク、中国社会科学院に付属する都市と競争力研究センターの倪鵬飛主任は28日、「東部の二、三線都市ででは「市場の崩壊が完全にありえる」と述べた。(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
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2014-07-29 11:45