NISAは年内815万口座が開設され平均65万円を投資=野村総研
野村総合研究所は2014年7月29日、「NISA(少額投資非課税制度)の利用実態調査(第5回)」の集計結果を発表した。同社は2013年2月から、NISAについての定点観測を実施している。今回は2014年6月28日、29日に調査を実施し、「NISAについての認知度は前回2014年2月調査とほぼ同水準(70%程度)ながら、NISAの普及によって“投資”に関してポジティブなイメージを持つ人が多いことがわかった。NISAを通じた総投資額は2014年だけで5.3兆円に達するだろう」(金融ITナビゲーション推進部の金子久氏)としている。
調査はインターネットを通じて行われ、全国の20代から70代の男女7000人から得た回答を分析した。また、調査結果を、性・年代別人口分布に関して、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2012年1月推計)」、株式ないしそれ以外の投資商品の保有区分については「NRI生活者1万人アンケート(金融編)(2013)」に基づいて推定し、アンケート結果のサンプルを補正して分析した。
今回の調査によると、年内にNISA口座の申し込みを行う人は、既に申し込んだ710万人も含め、815万人に達する見込み。また、昨2013年末時点で、投資商品を保有していなかった154万人がNISA口座開設を申し込み済み。この新規に投資口座を開設した人のうち、20-30代が35.4%を占め、「NISAによって若い世代が、新たに投資口座を設けていることは評価できる成果」(金子氏)と評価した。また、NISAを通じて、初めて投資口座を開く人は、年内に214万人に達すると推計している。
なお、年内にNISA口座開設を行うと推計される815万人の平均投資予定額は65万円、「2014年のNISA総投資額は5.3兆円に達する見込み」と推計した。また、年内に投資上限の100万円を投資するひとは418万人(51.3%)、口座を開設したものの投資しない人が148万人(18.2%)出るだろうと見通している。
また、NISA口座を利用して投資済みの人のうち、6割程度が投資信託を購入し、2割程度が積立投資を利用していることも分かった。この積立投資については、20代女性が「積立投資のみ」(26.8%)、「一括投資と積立投資の両方」(14.3%)と4割以上が利用し、目立って利用比率が高い。
今回の調査では、「投資」に関するイメージ調査を行っているが、一般的に投資に関しては「素人には難しい」「お金に余裕がある人向け」「不安・心配である」「損をする」「ギャンブル・賭博」のようなネガティブなイメージを持っているが、NISAに関してはネガティブなイメージが薄いことがわかった。「少額から始められる」「非課税」「初心者・若者向け」等のイメージを持つ人が多く、NISAが投資に関するポジティブなイメージ形成に役立っている。
さらに、既にNISA口座を開設した人のうち、22.7%が来年はNISA口座を開設する金融機関を変更したいと考えていることがわかった。変更理由は、「手数料が高い」(25.8%)、「他の金融機関のサービスを利用してみたい」(24.4%)など。「別の金融機関の口座を開くことで、またキャンペーンを利用したい」(18.5%)という考える人もいる。(取材・編集担当:徳永浩)
野村総合研究所は2014年7月29日、「NISA(少額投資非課税制度)の利用実態調査(第5回)」の集計結果を発表した。
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2014-07-29 16:30