スターティアはモミ合い煮詰まり感強めて動意のタイミング

  電子書籍関連のスターティア <3393> の株価は、5月の年初来安値1305円から切り返し、6月以降は1500円~1600円近辺で推移している。やや戻りの鈍い展開だが下値固めは完了しているようだ。中期成長力を評価する流れに変化はなく、モミ合い煮詰まり感を強めて動意のタイミングだろう。なお7月31日に第1四半期(4月~6月)の業績発表を予定している。   電子ブック作成ソフト「ActiBook」を主力として、Webアプリケーション開発などのウェブソリューション関連事業、クラウドサービスなどのネットワークソリューション関連事業、OA機器・MFP(複合機)販売などのビジネスソリューション関連事業を展開している。大手と競合しない中堅・中小企業向けを中心にストック型収益の向上を推進し、アジア市場へも本格的に事業展開する方針だ。   14年6月には電子ブックポータルサイト「ActiBooks(アクティブックス)」を開設した。電子ブック作成ソフト「ActiBook」で作成した電子カタログ・電子ブックを無料で掲載できるポータルサイトであり、10万冊以上が公開される予定だ。   今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月9日公表)は、売上高が前期比13.2%増の92億48百万円、営業利益が同1.3%増の8億40百万円、経常利益が同1.2%増の8億66百万円、純利益が同0.2%増の4億33百万円としている。   電子ブック作成ソフト「ActiBook」を中心とするウェブソリューション関連事業の好調が牽引して2桁増収見通しだ。前期第4四半期(1月~3月)の駆け込み需要の反動や、中期成長に向けた先行投資負担などで利益は微増益見通しとしているが、増収効果で利益の上振れ余地があるだろう。   なお7月25日に配当方針の変更と配当予想の修正を発表した。当社の剰余金の配当については従来、期末配当を年1回、連結業績の1株当たり当期純利益の10%相当額となることを基本方針としていたが、株主に対する利益配分の機会を充実させるため、連結業績予想の1株当たり当期純利益の10%相当額の3分の1にあたる金額を中間配当(基準日9月末日)として実施し、期末配当については業績に連動した年間配当から中間配当を差し引いたものとすることに変更した。   この変更に伴って、今期の配当予想を「第2四半期末2円85銭+期末5円70銭=年間8円55銭」とした。年間配当額に変更はなく、第2四半期末に中間配当を実施する。前期との比較では東証1部市場変更記念配当6円45銭を落とす形となる。   14年5月に「14年度~15年度2ヵ年経常利益計画」を発表し、目標値として2ヵ年累計連結経常利益20億円(15年3月期8億66百万円、16年3月期11億34百万円)を掲げている。さらなる規模拡大と安定的な成長に向けて、ストック型売上の拡大にとどまらず、拠点展開・人員増、官公庁へのアプローチ、国内外での代理店開発、M&Aも含めた積極的な資本・業務提携を推進し、継続成長のための先行投資を15年3月期前半から実施する方針だ。   株価の動き(14年2月28日付で東証マザーズ市場から東証1部市場へ市場変更)を見ると、5月20日の年初来安値1305円から切り返しの展開となり、6月以降は概ね1500円~1600円近辺で推移している。やや戻りの鈍い展開だが、5月安値水準まで下押す動きは見られない。下値固めは完了しているようだ。そしてモミ合い煮詰まり感も強めている。   7月29日の終値1597円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS85円51銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円55銭で算出)は0.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS689円67銭で算出)は2.3倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線を突破してきた。モミ合い煮詰まり感を強めて動意のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
電子書籍関連のスターティアの株価は、5月の年初来安値1305円から切り返し、6月以降は1500円~1600円近辺で推移している。
economic
2014-07-30 09:15