トレジャー・ファクトリーは自律調整で目先的な過熱感ほぼ解消、上値追い

  リサイクルショップ運営のトレジャー・ファクトリー <3093> (東マ)の株価は高値更新の展開が続いている。第1四半期(3月~5月)業績発表後は株式分割も好感して上げ足を速め、7月18日の3680円まで急伸した。その後は過熱感を強めて7月29日に3065円まで調整したが、自律調整の範囲で目先的な過熱感はほぼ解消した。中期成長力を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。   首都圏を中心に総合リユースショップ(総合業態)や服飾専門リユースショップ(服飾業態)などを直営とFCで展開している。前期(14年2月期)末の店舗数は、直営総合業態47店舗、直営服飾業態21店舗、新業態の古着アウトレット1店舗、FC総合業態4店舗の合計73店舗である。   関西圏への新規出店も加速させる方針で、13年5月総合業態の関西1号店・神戸新長田店、13年10月服飾業態の関西1号店・尼崎店、14年3月関西3号店で大阪府初出店となる総合業態・岸和田店をオープンした。そして14年7月には総合業態の大阪・八尾店をオープンした。ネット通販も強化するため13年4月に楽天市場へ出店している。新規事業ではブランドバッグ&ファッションレンタル事業を10年10月から開始している。今後は新業態としてスポーツ関連リユースショップの出店も検討しているようだ。   7月11日に発表した今期(15年2月期)第1四半期(3月~5月)の業績(非連結)は売上高が前年同期比17.0%増の25億82百万円、営業利益が同51.5%増の3億51百万円、経常利益が同51.4%増の3億57百万円、純利益が同50.6%増の2億03百万円だった。消費増税の影響は見られず既存店売上高は同8.6%増と好調だった。衣料服飾雑貨に加えて、販売単価の高い生活家電や家具の好調も寄与した。全社の差引売上総利益率は同0.1ポイント低下したが、販管費比率が同3.2ポイント低下して大幅営業増益だった。   7月11日には第2四半期累計(3月~8月)業績見通しの増額修正、株式分割および配当予想の修正を発表した。第2四半期累計の業績見通しについては、売上高を1億66百万円増額して前年同期比14.3%増の48億37百万円、営業利益を82百万円増額して同27.9%増の3億53百万円、経常利益を85百万円増額して同26.1%増の3億62百万円、純利益を47百万円増額して同29.6%増の2億06百万円とした。第1四半期の売上高・利益とも計画を上回ったため、第2四半期累計の見通しを増額修正した。   株式分割については、14年8月31日を基準日(8月31日は休日のため実質的には8月29日)(効力発生日14年9月1日)として1株を2株に分割する。この株式分割に伴って、今期の配当予想を前回の年間22円(期末一括)から年間11円(期末一括)に修正したが、株式2分割を考慮すると実質的に変更はない。   第2四半期累計の業績見通しを増額修正したが、通期の業績見通しについては前回予想(4月11日公表)を据え置いて、売上高が前期比10.8%増の101億11百万円、営業利益が同4.3%増の7億40百万円、経常利益が同3.1%増の7億53百万円、純利益が同4.5%増の4億36百万円としている。   テレビCM効果による知名度上昇、年間10店舗程度の新規出店による多店舗展開、既存店の収益力強化、一般買取強化による商品仕入増加、ネット経由の買取・販売強化、13年6月の物流センター拡張移転による店舗への在庫供給力向上などが寄与して増収増益見込みだ。消費増税の影響や新規出店費用などを考慮して保守的な見通しだが、通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が25.5%、営業利益が47.4%、経常利益が47.4%、純利益が46.6%に達している。通期業績も上振れが濃厚だろう。   月次売上(直営店の店舗売上、前年比速報値)を見ると、14年6月は全店が109.8%、既存店が102.6%だった。衣料・服飾雑貨や生活家電が好調に推移した。既存店は4ヶ月連続の前年比プラスであり、消費増税の影響は見られない。なお6月の新規出店はなく、14年6月末時点の店舗数は75店舗だった。   リユース市場は拡大基調であり、中期成長に向けて直営店舗網の拡大、業態の多様化、新規事業展開を加速させる方針だ。首都圏や関西圏を中心に多様な業態を展開して100店舗体制を当面の目標としている。中期的に収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると高値更新の展開が続いている。第1四半期業績発表後は株式分割も好感して上げ足を速め、7月18日には3680円まで急伸した。その後は過熱感を強めて7月29日に3065円まで調整したが、過熱感を冷ますための自律調整の範囲だろう。   7月29日の終値3080円を指標面(株式2分割前)で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS157円03銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は0.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS876円73銭で算出)は3.5倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が縮小し、目先的な過熱感はほぼ解消したようだ。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの上昇トレンドであり、中期成長力を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
リサイクルショップ運営のトレジャー・ファクトリー<3093>(東マ)の株価は高値更新の展開が続いている。第1四半期(3月~5月)業績発表後は株式分割も好感して上げ足を速め、7月18日の3680円まで急伸した。
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2014-07-30 09:15