ピックルスコーポレーションの売りほぼ一巡、低PERや低PBRも支援材料で出直り

  漬物やキムチ製品の最大手ピックルスコーポレーション <2925> (JQS)の株価は、4月安値665円から切り返して7月4日には865円まで上伸したが、第1四半期(3月~5月)の減益を嫌気する形で7月18日と22日の765円まで調整した。ただし7月25日には終値で800円台を回復している。第1四半期の減益を嫌気した売りはほぼ一巡したようだ。通期業績見通しに上振れ余地があり、低PERや低PBRも支援材料として出直り展開だろう。   漬物・浅漬・キムチなど漬物製品の最大手メーカーで、惣菜製品も強化している。主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力が大幅に向上して収益力が高まっている。セブン&アイ・ホールディングス <3382> などの大手量販店・コンビニエンスストアが主要取引先であり、ブランド力向上や新製品投入効果で中期成長期待は強い。   独自研究の植物性乳酸菌「ピーネ12」を使用した「生きて腸まで届くピーネ乳酸菌キムチ」や「トマトキムチ」「ご飯がススムおかずのり」、塩こんぶのくらこんとのコラボレーション商品「くらこん塩こんぶキャベツ」などの新製品投入、さらに成長市場である惣菜製品の商品開発も強化している。   事業エリア拡大や供給能力増強に向けた動きも加速し、中・四国エリアでは広島新工場(ピックルスコーポレーション関西)、北海道エリアでは既存の食品工場を買い取った札幌新工場(ピックルスコーポレーション札幌)が稼動している。   7月4日に発表した今期(15年2月期)第1四半期(3月~5月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.0%増の68億18百万円と増収だったが、営業利益が同13.0%減の3億83百万円、経常利益が同18.8%減の4億03百万円、純利益が同73.3%減の80百万円と減益だった。   積極的な営業・広告宣伝・販促活動の成果で、既存取引先への拡販や新規取引先の開拓は順調に進んでいるようだ。新製品投入も寄与してキムチ製品や惣菜製品が好調に推移した。一方のコスト面では、原料野菜の仕入価格が高値で推移したことに加えて、子会社ピックルスコーポレーション札幌の許容量を超える生産で収益性が低下したことも影響して減益となった。純利益についてはピックルスコーポレーション札幌の旧工場減損損失計上も影響した。   通期の連結業績見通しは前回予想(4月15日公表)を据え置いて、売上高が前期比6.4%増の273億円、営業利益が同32.5%増の11億30百万円、経常利益が同26.0%増の12億25百万円、純利益が同21.3%増の7億38百万円、そして配当予想は前期と同額の年間12円(期末一括)としている。   キムチ製品や惣菜製品の販売が引き続き好調に推移する。品目別売上高の計画は浅漬・キムチが同4.0%増の119億65百万円、惣菜が同22.3%増の58億円、ふる漬が同5.9%減の5億78百万円、漬物が同1.9%増の89億56百万円で、販路別計画は量販店・問屋等が同6.5%増の201億円、コンビニエンスストアが同6.2%増の44億50百万円、外食他が同6.4%増の27億50百万円としている。   利益面では、天候不順による野菜価格高騰という一過性のマイナス要因については一巡を見込み、テレビCMなど広告宣伝費の集中投入も一巡する。増収効果による売上総利益の増加、原価改善の効果、広島新工場の効率改善効果なども寄与して営業増益の見込みだ。通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が25.0%、営業利益が33.9%、経常利益が32.9%、純利益が10.8%である。第1四半期は減益だったが、営業利益の進捗率は高水準であり、野菜価格が落ち着けば上振れ余地があるだろう。   キムチ製品や惣菜製品のブランド力向上、既存取引先の深耕と新規取引先の開拓、新製品の開発や他の食品メーカーとのコラボレーション、事業エリア拡大、供給能力増強、契約栽培の拡大による原料野菜の安定調達、原材料購買方法の見直しなどの重点戦略を推進して中期的に収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、4月安値665円から切り返しの展開となって7月4日には865円まで上伸したが、第1四半期の減益を嫌気する形で7月18日と7月22日の765円まで調整した。ただし7月25日には終値で800円台を回復している。第1四半期の減益を嫌気した売りはほぼ一巡したようだ。   7月29日の終値790円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS115円54銭で算出)は6~7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1146円90銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線近辺から反発の動きを強めている。サポートラインを確認した形であり、低PERや低PBRも支援材料として出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
漬物やキムチ製品の最大手ピックルスコーポレーション<2925>(JQS)の株価は、4月安値665円から切り返して7月4日には865円まで上伸したが、第1四半期(3月~5月)の減益を嫌気する形で7月18日と22日の765円まで調整した。
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2014-07-30 09:15