【為替本日の注目点】米景気拡大指標にドル全面高、FOMC早期利上げ期待高まり

 NY市場  ドル円は今月7日以来の102円台に乗せる。消費者信頼感など米景気の拡大を示す指標にドルが全面高となり、ドル円は一時102円16銭まで買われ、ほぼ高値圏で引ける。   ユーロドルでもドル高が進み、一時1.3404まで下落。ユーロ円は137円台まで買われたが136円台後半まで押し戻される。   株式市場は続落。ロシアへの制裁を嫌気してダウは70ドル安。S&P500など、その他の株価指数も軒並み下落。   債券相場は反発。5年債の入札が好調だったことと株価の下落から買い物を集め、長期金利は2.46%台に低下。   ドルが買われたことで金は下落。原油価格も続落し100ドル台に。   5月ケースシラー住宅価格指数 → +9.34   7月消費者信頼感指数     → 90.9   ドル/円 101.95~ 102.16  ユーロ/ドル 1.3404 ~ 1.3435  ユーロ/円 136.76 ~ 137.09  NYダウ -70.48  → 16,912.11ドル  GOLD -5.00    → 1,298.30ドル  WTI -0.70    → 100.97ドル  米10年国債 -0.025 → 2.462%  本日の注目イベント  日   9月鉱工業生産   独   独7月消費者物価指数(速報値)   欧   ユーロ圏7月景況感指数   米   7月ADP雇用者数    米   4-6月期GDP(速報値)   米   FOMC政策発表   南米  アルゼンチン、利払い猶予期限    ドルは主要通貨に対して全面高の展開を見せました。ドル円は約3週間振りに102円台に乗せ、102円16銭まで買われ、今月初めの雇用統計直後に記録した、102円27銭が手の届くところまでドル高円安に振れています。ユーロドルでも1.3404までドル高が進み、こちらは昨年11月以来のドル高ユーロ安水準です。ドルはNZドルに対しても0.8490までドル高が進み、NZドルは約2ヶ月振りの安値をつけており、さらに金なども売られています。背景はFOMCに対する見方が楽観的過ぎるのではないかとの観測が高まってきたことです。  昨日コンファレンス・ボードが発表した7月の消費者信頼感指数は「90.9」と、2007年10月以来の高水準となりました。6月の速報値「85.2」も「86.4」に上方修正され、改めて米景気の拡大が意識された格好です。コンファレンス・ボードの景気指標担当者の声明文では「強い雇用の伸びを背景に消費者の現況感が押し上げられたほか、景気や雇用に加え、程度は低いにせよ個人所得の短期的見通しが明るくなっていることが、期待指数の上昇につながった」と指摘しています。また、「最近の強さが年後半に入っても続く可能性が高いことを示唆している」とも記述されています。(ブルームバーグ)  このように、米景気の回復ぺースが加速していることから、昨日から始まったFOMCでは利上げ開始のタイミングについての議論があるのではないかという見方が急速に高まったことがドル高につながりました。もっとも、慎重な姿勢を崩していないイエレン議長がすぐに「利上げ」に舵を切り直すとも考えにくく、今回のFOMCで利上げのタイミングが早まることはないでしょう。ただ、本日から発表されるGDPや、雇用統計、ISM製造業景況指数などで、強めの内容が相次ぐようなら早期利上げも現実的になる可能性はあります。  昨日もこの欄で触れましたが、ドル円は102円台に乗せたことで「薄い雲」は上抜けしています。現在はその上にある「120日線」と「200日線」に絡んでいる状態です。日本の株価が順調に上昇していることで、市場はドル高がどこまであるのかを試している所と思われます。102円20銭を抜ければレジスタンスを抜けたことになりますが、理想的には上記102円27銭を抜け、102円30銭を超えることが望ましいと思います。この水準は約1ヶ月振りのドル高水準となることから、輸出を中心にドル売り意欲も強いと予想されます。集まったドル売りをこなして上昇するには、それなりの材料が必要です。上述の経済指標がその材料になることは十分考えられます。  本日も102円台前半ではドル売りがそこそこ見られるはずです。東京時間では昨日の「102円の壁」と同様に抜けないかもしれません。ここは海外市場に委ねるしかありませんが、重要なのは市場参加者の「相場観」が「もしかしたら、ドル円はレンジを上抜けるかもしれない」と、変化することです。102円台後半までドルが上昇すれば、その可能性が高まると考えられます。低水準が続いているドル円のボラティリティーも足許では5.87%(3ヶ月)まで上昇しています。本日のレンジは重要指標発表が多く控えていることから、101円70銭~102円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は今月7日以来の102円台に乗せる。消費者信頼感など米景気の拡大を示す指標にドルが全面高となり、ドル円は一時102円16銭まで買われ、ほぼ高値圏で引ける。 
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2014-07-30 09:30