パシフィックネットは好業績を評価して反発のタイミング

  中古パソコン・モバイル機器などのリユース事業を展開するパシフィックネット <3021> (東マ)の株価は、6月上旬の急伸の反動調整を経て7月9日に868円まで急伸し、1月23日の戻り高値845円を突破した。その後は前期(14年5月期)の好業績も材料出尽くしとなって反落したが、600円近辺では下げ渋る動きだ。やや乱高下する傾向はあるが、好業績を評価して反発のタイミングだろう。   パソコン、タブレット端末、スマートフォンなど中古情報機器の引取回収・販売事業を主力として、レンタル事業も展開している。13年10月に旗艦店としてオープンした「PC-NETアキバ本店」など全国主要都市に9店舗を展開し、主要仕入先のリース・レンタル会社や一般法人からの引取回収を強化するとともに、業務プロセス効率化などで収益力を高めている。   7月15日に発表した前期(14年5月期)の連結業績は、売上高が前々期比17.3%増の40億57百万円、営業利益が同97.6%増の2億85百万円、経常利益が同85.4%増の3億07百万円、純利益が同2.6倍の1億83百万円だった。5月12日に発表した増額修正値を上回る増収増益だった。   配当予想は前回予想から6円増額して年間16円(期末一括)とした。14年3月1日付の株式2分割を考慮して前々期の年間12円(期末一括)を年間6円に換算すると実質的に10円増配となる。   米マイクロソフトのOS「ウインドウズXP」サポート終了に伴う代替需要が進み、リース会社・一般法人等への顧客対応強化などの施策も奏功して、中古情報機器などの入荷台数が大幅に増加した。一方の販売面では「ウインドウズ7」の需要が増加し、13年10月オープンの「PC-NETアキバ本店」での販売拡大も寄与した。利益面では増収効果に加えて、抜本的な生産性向上策や業務プロセス効率化などの効果が寄与した。売上総利益率は51.28%で同3.80ポイント上昇した。   今期(15年5月期)の連結業績見通しは売上高が前期比4.8%増の42億53百万円、営業利益が同5.4%増の3億円、経常利益が同1.2%増の3億11百万円、純利益が同6.3%減の1億71百万円、配当予想が前期と同額の年間16円(期末一括)としている。   「ウインドウズXP」サポート終了に伴う代替需要の鈍化が予想されるが、一方では格安SIMブームに伴う中古モバイル機器の需要増加が期待される。また保守・サポートなど付帯サービス関連で前期第4四半期(3月~5月)に受注した大型案件も寄与して増収営業増益見込みだ。純利益は前期適用の所得拡大促進税制が適用されないため減益見込みとしている。   なお7月14日に、レカム <3323> およびリステックとの3社協業で、中小企業向けサーバー機器レンタルサービスを8月から開始すると発表した。また7月16日には、法人向け格安スマートフォンのサービスを8月から開始すると発表した。今期収益への寄与が期待される。   円安に伴う新品パソコンの価格下げ止まりなども背景として、中古情報機器市場全体が回復傾向を強めているようだ。抜本的な生産性向上策の効果も寄与して収益拡大が期待されるだろう。   株価の動き(14年3月1日付で株式2分割)を見ると、6月上旬の急伸の反動調整を経て6月末に再動意となり、7月9日には868円まで急伸して1月23日の戻り高値845円を突破した。その後は前期の好業績も材料出尽くしとなって反落したが、5月安値圏400円台まで下押す動きは見られず、概ね600円近辺で下げ渋る動きだ。   7月30日の終値592円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS33円23銭で算出)は17~18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は2.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS352円83銭で算出)は1.7倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインのようだ。やや乱高下する傾向はあるが、好業績を評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
中古パソコン・モバイル機器などのリユース事業を展開するパシフィックネット<3021>(東マ)の株価は、6月上旬の急伸の反動調整を経て7月9日に868円まで急伸し、1月23日の戻り高値845円を突破した。
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2014-07-31 09:15