エスプールは急伸後の反動調整に一巡感、中期成長力を評価して反発のタイミング

  人材サービスのエスプール <2471> (JQS)の株価は、安値圏750円~800円近辺でのモミ合い展開から上放れ、さらに第2四半期累計(12月~5月)業績を好感して7月4日には1260円まで急伸した。その後は急伸の反動局面だが900円近辺で調整一巡感を強めている。中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。   アウトソーシング関連のビジネスソリューション事業(ロジスティクスアウトソーシングサービス、フィールドマーケティング、障がい者雇用支援サービスなど)、人材派遣関連の人材ソリューション事業(コールセンター業務、携帯電話・スマートフォン販売支援業務、オフィスサポートなど)、およびマーチャンダイジングサービス事業などを展開している。なお除染業務は受注単価が下落しているため14年3月末で撤退した。   ロジスティクスアウトソーシングサービスは、ネット通販市場の拡大が追い風であり、ECサイト出店企業などの物流センター運営・発送代行で新規顧客獲得を推進している。   障がい者雇用支援サービスは、障害者雇用促進法に基づいて大企業の障がい者雇用をサポートするもので、企業向け賃貸農園「わーくはぴねす農園」の栽培設備販売収入と農園運営管理収入を収益柱としている。千葉県市原市「わーくはぴねす農園 市原ファーム」では23社の企業が利用している。高付加価値サービスとして千葉県を中心に事業規模を拡大する方針で、14年6月には千葉県長南町「わーくはぴねす農園 茂原ファーム」を新設した。   7月3日発表の今期(14年11月期)第2四半期累計(12月~5月)連結業績は、売上高が前年同期比24.5%増の32億37百万円、営業利益が同2.1倍の1億22百万円、経常利益が同2.2倍の1億18百万円、純利益が同2.3倍の99百万円だった。主力事業が順調に拡大して期初計画を大幅に上回る増収増益だった。新規事業のスマートメーター関連業務や、赤字だったフィールドマーケティングの黒字化も寄与した。   セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、ビジネスソリューション事業は売上高が同40.1%増の13億19百万円、営業利益が同37.6%増の1億24百万円だった。ロジスティクスアウトソーシングサービスが好調に推移し、障がい者雇用支援サービスへの企業の参画や、新規事業のスマートメーター関連業務が想定以上に高水準だった。人材ソリューション事業は売上高が同14.2%増の19億73百万円、営業利益が同17.8%増の1億70百万円だった。主力のコールセンター業務と携帯電話・スマートフォン販売支援業務が好調に推移した。   通期の連結業績見通しは前回予想(1月15日公表)を据え置いて、売上高が前期比11.8%増の60億円、営業利益が同2.3倍の1億50百万円、経常利益が同2.8倍の1億37百万円、純利益が同2.6倍の1億17百万円としている。   ロジスティクスアウトソーシングサービスにおける新規顧客獲得、つくばECセンター本格稼動、生産性改善、障がい者雇用支援サービスにおける第2農園(茂原ファーム)開設、フィールドマーケティングの黒字化、国家プロジェクトとなるスマートメーター関連業務の拡大、人材ソリューション事業におけるコールセンター業務や携帯電話・スマートフォン販売支援業務の好調、受注単価上昇などが寄与する。人件費増加などを吸収して大幅増益見通しだ。   さらに人材派遣サービスでは、コンビニ向けストアスタッフサービスを強化する。ファニリーマート <8028> のFC店舗向けに人材提供を一括で行う「人材サポートセンター」の設立でファミリーマートと合意した。コールセンター業務、携帯電話・スマートフォン販売支援業務に続く収益柱に育成する方針だ。   事業拡大に向けた先行投資の影響などを考慮して通期見通しを据え置いているが、第2四半期累計の進捗率は売上高が54.0%、営業利益が81.6%、経常利益が86.2%、純利益が85.2%と高水準であり、通期上振れの可能性が高いだろう。   中期経営計画では目標値に16年11月期売上高100億円、営業利益5億円を掲げている。成長分野での積極的な拡大戦略を推進する方針であり、高付加価値サービスの拡大が牽引して中期的に収益拡大基調が期待される。   株価の動きを見ると、直近安値圏750円~800円近辺でのモミ合い展開から上放れ、さらに第2四半期累計業績を好感して7月4日には1260円まで急伸した。その後は利益確定売りで一旦反落したが900円近辺で調整一巡感を強めている。   7月30日の終値901円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS42円77銭で算出)は21倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS72円70銭で算出)は12倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認した形であり、中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
人材サービスのエスプール<2471>(JQS)の株価は、安値圏750円~800円近辺でのモミ合い展開から上放れ、さらに第2四半期累計(12月~5月)業績を好感して7月4日には1260円まで急伸した。
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2014-07-31 09:15