フォトクリエイトは5月安値で底打ち、出直りの流れに変化なし
インターネット写真販売サービスやクラウドサービスのフォトクリエイト <6075> (東マ)の株価は、5月安値1195円から6月6日1680円まで切り返した。その後は7月24日の1371円まで一旦調整したが、足元は概ね1400円台で推移している。5月安値で底打ちした形であり、中期成長力を評価して出直りの流れに変化はないだろう。なお8月8日に前期(14年6月期)の業績発表を予定している。
02年設立で、インターネット写真サービス事業(全国各地で開催されるスポーツ・音楽・祭り・学校行事・結婚式などのイベントに契約カメラマンを手配して撮影し、撮影した写真をWebサイトに掲載してイベント参加者などに販売する事業)、フォトクラウド事業(全国の地域密着の写真館など法人向けに当社のインターネット写真販売プラットフォームを提供してサービスを受託する事業)、および広告・マーケティング支援事業(顧客企業の写真販促施策を支援する事業)を展開している。
インターネット写真サービス事業ではカテゴリーごとに、スポーツ写真販売サイト「オールスポーツコミュニティ」、社交ダンス写真販売サイト「ダンスライフ」、イベント写真販売サイト「フォトチョイス」、お祭り写真販売サイト「ヨイショット」、音楽イベント写真販売サイト「ステージライフ」、学校写真販売サイト「スナップスナップ」などを運営している。
主力の「オールスポーツコミュニティ」はスポーツを行っているユーザー月間45万人が集まるサイトで、マラソンなど全国各地約70種目のスポーツイベントを年間約4000大会撮影している。15年3月開催の「横浜マラソン2015」でも公式写真販売サービスとしてオフィシャルスポンサーに決定した。15年からフルマラソン大会となる「横浜マラソン2015」の開催で、フルマラソン大会が開催される都道府県庁所在地は全47ヶ所中21ヶ所となり、そのうち17ヶ所の大会を当社が撮影することになる。
インターネット写真サービス事業の先行者として市場を開拓してきたため、撮影ノウハウ、販売ノウハウ、ブランド力、写真とIT技術の連携などの面での優位性が強みだ。契約カメラマン数は13年12月末時点で約1400名となり、クオリティを維持しながら着実に増加している。
フォトクラウド事業では、地域写真館・撮影事業者向け「スナップスナップインターネットラボ」、結婚式場事業者・婚礼写真会社向け「グロリアーレ」、さらに「読売巨人軍オフィシャル写真販売サイト」や「福岡ソフトバンクホークスオフィシャル写真サイト」などのシステムを提供している。
14年6月には、写真館など全国の写真事業者向けに事業展開しているラボネットワークと、学校写真インターネット販売の共同展開を目的とした業務提携に関する基本合意書を締結した。学校写真事業者との取引窓口をラボネットワークに一本化し、学校写真事業者に提供しているインターネット販売システムを当社の「スナップスナップ」に一本化する。すでに「スナップスナップ」を導入している1321教育機関(14年3月31日現在)に加えて、ラボネットワークと学校写真事業者を介して取引のある1万7869教育機関(同)に対する「スナップスナップ」の展開が可能となる。
成長戦略では「心豊かなフォトライフを実現するインターネットサービス企業」を目指し、既存サイトの媒体価値向上に加えて、フォトクラウド事業を将来の収益柱に育成する方針を掲げている。幼稚園・保育園・小学校など学校写真領域を中心に撮影している地域写真館、および結婚式場事業者などとの提携・サービス提供を拡大し、広告・マーケティング支援事業の拡大にも繋げる方針だ。
前期(14年6月期)の業績(非連結)見通し(13年8月9日公表)は、売上高が前々期比13.9%増の32億30百万円、営業利益が同7.6%増の1億93百万円、経常利益が同4.6%増の1億83百万円、そして純利益が同4.1%増の1億06百万円としている。
幼稚園・小学校等の運動会が集中する第2四半期(10月~12月)や、大型マラソン大会が集中する第3四半期(1月~3月)の売上構成比が高く、イベント開催や天候などの影響も受けやすい収益構造だが、スポーツ・教育・ウエディング領域の好調が牽引し、先行投資負担などを吸収して増収増益見込みだ。
中期経営計画では、目標値として16年6月期売上高44億91百万円、営業利益3億68百万円を掲げている。全国各地で大型マラソン大会新設の動きも相次いでおり、スポーツイベント増加などを背景にインターネット写真サービス事業が順調に拡大する。フォトクラウド事業は契約写真館数の増加による規模拡大効果で利益率が上昇し、収益寄与が本格化する見込みだ。20年東京夏季五輪開催も追い風となって中期成長期待が高まる。
株価の動きを見ると、5月21日安値1195円から6月6日1680円まで切り返した。その後は利益確定売りなどでやや上値が重くなり、7月24日の1371円まで一旦調整した。ただし足元は概ね1400円台で推移して5月安値水準まで下押す動きは見られない。5月安値で底打ちして出直りの流れに変化はないだろう。
7月31日の終値1440円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS84円65銭で算出)は17倍近辺、実績PBR(前々期実績のBPS356円20銭で算出)は4倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、13週移動平均線近辺で下げ渋っている。サポートラインを確認して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
インターネット写真販売サービスやクラウドサービスのフォトクリエイト<6075>(東マ)の株価は、5月安値1195円から6月6日1680円まで切り返した。
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2014-08-01 09:00