サクセスHDは下値固めが完了して強基調に転換の可能性

  保育園運営のサクセスホールディングス <6065> の株価は、安値圏1600円台での小動きが続いたが、7月30日に1694円、7月31日に1692円まで上伸する場面があった。日足チャートで見ると戻りを押さえていた25日移動平均線を突破して上伸した。下値固めが完了して強基調に転換の可能性があり、中期成長力を評価して出直りの動きを強めそうだ。   保育園運営のサクセスアカデミーの持株会社で、病院・大学・企業などの事業所内保育施設を受託運営する受託保育事業と、認可保育園・認証保育所・公設民営保育園・学童クラブ・児童館・全児童対策事業施設など公的保育施設を運営する公的保育事業を展開している。   13年12月末時点の運営施設数は、受託保育事業171施設(12年12月末比20施設増加)、公的保育事業63施設(うち認可保育園35施設、認証保育所5施設、学童クラブ等23施設)(同9施設増加)の合計234施設(同29施設増加)である。地域別には関東181施設、中部34施設、関西17施設、東北2施設で、神奈川県と東京都を地盤としている。   成長に向けた重点戦略として、受託保育事業は広域エリアでの拡充、公的保育事業は首都圏中心の新規開園と小規模施設の運営を進め、施設運営の効率向上、人材確保・育成面でのジェイコムホールディングス <2462> グループとの連携強化、認可保育園開設用不動産の確保などを掲げている。24時間保育や英語教育の実施など高付加価値の保育サービスの提供、多様な保育需要に応じたサービスの提供も強化する方針だ。   今期(14年12月期)の連結業績見通し(2月7日公表)は売上高が前期比13.3%増の98億26百万円、営業利益が同16.5%減の4億67百万円、経常利益が同7.1%増の7億55百万円、純利益が同7.3%増の4億30百万円で、配当予想は同5円増配の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。   第1四半期(1月~3月)の営業利益は4月運営開始の新規施設(受託保育事業8施設、公的保育事業6施設、合計14施設)開園準備費用などで減益となり、通期の営業利益も新規開園費の増加や保育士募集採用費の増加などで減益見込みとしている。ただし新規施設開設や利用者数増加で通期売上高は2桁増収見込みであり、経常利益と純利益は営業外収益で公的保育事業に係る設備補助金収入が増加するため増益見込みだ。上振れ余地もあるだろう。   全国の待機児童数は緩やかに減少傾向となっているが、依然として都市部を中心に保育サービスの需要は高水準である。13年4月に「待機児童ゼロ」を達成した横浜市には保育を求める子育て世代の流入が加速しており、潜在需要の顕在化も鮮明になっている。政府の取り組みも17年度の待機児童解消を目指して、規制緩和や運営補助金拡大などに向けた動きが活発化している。   新規施設開園費用や保育士募集採用費用の発生、公的保育事業に係る設備補助金収入の増減などで、営業利益と経常利益はややデコボコする可能性はあるが、国の重点政策を追い風として中期成長力に変化はないだろう。   株価の動き(4月24日付で東証1部市場に指定替え)を見ると、安値圏での小動きが続いている。5月安値1626円から切り返して6月には1700円台を一旦回復したが、反発力が鈍く水準を切り下げて7月18日の1632円まで調整した。ただし7月30日に1694円、7月31日に1692円まで上伸する場面があった。下値固めが完了して出直り態勢のようだ。   7月31日の終値1687円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS82円05銭で算出)は20~21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間配当30円で算出)は1.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS327円76銭で算出)は5.1倍近辺である。日足チャートで見ると戻りを押さえていた25日移動平均線を突破して上伸した。また週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。強基調に転換の可能性があり、中期成長力を評価して出直りの動きを強めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
保育園運営のサクセスホールディングス<6065>(東1)の株価は、安値圏1600円台での小動きが続いたが、7月30日に1694円、7月31日に1692円まで上伸する場面があった。
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2014-08-01 09:15