莫大な債務償還が迫る中国地方政府 積み上がるリスクとは=中国メディア

中国メディアの一財網は4日、中国の経済成長が鈍化するなか、中国の地方政府の財政収入の伸びも鈍化していると伝え、「地方政府が抱える債務のうち、今年中に償還が控えている2兆4000億元(約39兆8000億円)もの債務の償還に対する圧力につながっている」と論じた。
記事は、中国の政府機関に対する財政収支の監査を行う審計署が発表したデータを引用し、13年6月末から14年3月末までの期間中に期限どおりに償還されたなかった債務は計9省で総額8億元(約132億8000万円)以上に達したと伝えた。さらに中国財政部の楼継偉部長の発言として、「一部の地方政府の財政状況にはリスクが存在し、全国規模で地方政府の債務管理を行うことは財政部にとっての重要な任務だ」と伝えた。
続けて、中国の地方政府が抱えている債務のうち、今年中に償還期限を迎える債務総額が2兆4000億元にのぼることを紹介し、財政部の王保安副部長の発言として「今年は償還圧力がもっとも大きな年だ」と論じた。
不動産市場の活況を背景に、中国の各地方政府は土地の民間への売却を大きな税源としてきた。上半期ベースで見た場合、地方政府の土地売却による収入は前年同期比26.3%増となったが、不動産市場が冷え込み始めたことで6月は前年同月比7.3%増にとどまり、土地売却による収入の伸びが急激に鈍化していることが見て取れる。
記事は中国南部の地方都市の関係者の発言として、「不動産市場の冷え込みを背景に、土地を売りだそうとしても買い手がつかないことがたびたび起きるようになった」とし、地方政府は土地を小さく区画化して販売せざるを得ない状況だと論じた。
また記事は上海財経大学の鄭春栄副教授に対する取材の結果として、「中国経済の鈍化によって、融資平台(地方政府の傘下で資金調達や投資を行っている投資会社)の収益性も低下している」と指摘。さらに、特に不動産市場の冷え込みよって土地や建物の資産価格が低下しつつあることを挙げ、地方政府の債務償還に向けてリスクが積み上がっているとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
中国メディアの一財網は4日、中国の経済成長が鈍化するなか、中国の地方政府の財政収入の伸びも鈍化していると伝え、「地方政府が抱える債務のうち、今年中に償還が控えている2兆4000億元(約39兆8360億円)もの債務の償還に対する圧力につながっている」と論じた。(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
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2014-08-05 08:45