第一実業は上げ足速めて13年5月高値突破、上値追い
機械専門商社の第一実業 <8059> の株価は、7月2日に497円を付けて1月高値493円を突破し、上げ足を速める形となった。7月8日には553円を付けて13年3月高値538円を突破し、さらに7月17日には585円まで上値を伸ばした。07年11月以来の高値水準だ。足元は利益確定売りが一旦優勢になったが、8月4日には566円まで上伸する場面があり反発の動きを強めている。今期好業績見通しや高配当利回りを評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。
機械の専門商社で、プラント・エネルギー事業、エレクトロニクス事業、産業機械事業、その他事業を展開し、グループ会社は国内9社、海外20社である。13年5月に発表した新経営計画「AIM2015」では、最終年度16年3月期の売上高1550億円、営業利益57億円、経常利益59億円、純利益37億円を目標値として掲げている。グローバルビジネスを積極展開する方針だ。
新規事業としては、植物工場システムの販売に関するプロジェクトを立ち上げて、埼玉県入間市にパイロットプラントを建設した。また14年3月には長野県飯田市でメガソーラー「第一実業飯田太陽光発電所」が竣工した。茨城県笠間市の太陽光発電所に続く2カ所目のメガソーラーだ。
米アクセスエナジー社のバイナリー発電装置に関しては、14年4月に日本国内での独占的製造権を取得し、14年5月には地熱・温泉業界向け小型バイナリー発電装置の独占販売代理店契約を締結した。地熱、温泉熱、焼却廃熱、一般工場廃熱など、未利用熱エネルギーを有効活用して発電するバイナリー発電システムの普及拡大を目指す戦略で、15年4月までに国内での製造を開始する予定だ。
7月31日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比29.4%増の320億72百万円、営業利益が44百万円(前年同期は77百万円の赤字)、経常利益が同6.0倍の2億56百万円、純利益が27百万円の赤字(同61百万円の赤字)だった。海外向けエチレンプラント用設備の大型案件などが寄与して大幅増収となり、営業損益が改善した。
セグメント別売上高を見ると、プラント・エネルギー事業は国内外でプラント用設備の大型案件の売上計上があり同47.8%増の81億14百万円、エレクトロニクス事業は電子部品実装機の需要が横ばいで同3.6%増の76億30百万円、産業機械事業は自動車関連業界向け設備需要が好調に推移して同22.2%増の86億98百万円、海外法人はアジアの電子部品実装関連設備や車載関連機器製造装置が好調で同60.4%増の68億64百万円だった。
通期の連結業績見通しは前回予想(5月9日公表)を据え置いて売上高が前期比14.7%増の1400億円、営業利益が同22.7%増の50億円、経常利益が同16.2%増の52億円、純利益が同30.1%増の32億円としている。配当予想は年間16円(第2四半期末8円、期末8円)で、前期との比較で見れば2円減配だが、記念配当3円を落としているため普通配当ベースで見れば実質的に1円増配となる。
セグメント別売上高の計画はプラント・エネルギー事業が同20.0%増の340億円、エレクトロニクス事業が同18.7%増の360億円、産業機械事業が同4.1%増の380億円、海外法人が同18.4%増の290億円、その他が同24.7%増の30億円としている。
前期末の受注残高は626億54百万円(前々期末比8.5%増)と高水準であり、今期の受注高計画は同14.2%増の1450億円としている。そして第1四半期の受注高は同17.2%増の427億64百万円となり、通期受注高計画に対する進捗率は29.5%と順調に推移している。自動車関連は国内外で設備投資需要が活発であり、前期やや低調だったプラント関連や電子部品実装関連の需要も回復する見込みだ。高水準の設備投資需要を背景に好業績が期待される。
株価の動きを見ると、4月~5月の安値圏420円近辺で下値固めが完了して切り返し、7月2日に497円を付けて1月高値493円を突破した。その後は上げ足を速める形となり、7月8日には553円を付けて13年3月の高値538円を突破した。さらに7月17日には585円まで上値を伸ばした。07年11月以来の高値水準だ。足元は利益確定売りが一旦優勢になったが、8月4日には566円まで上伸する場面があり反発の動きを強めている。今期好業績見通しを評価する流れに変化はないだろう。
8月4日の終値559円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS60円35銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は2.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS586円85銭で算出)は1.0倍近辺である。週足チャートで見ると13年5月高値を突破して強基調を確認した形だ。13週移動平均線がサポートラインだろう。また日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。動意のタイミングだろう。高配当利回りも評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
機械専門商社の第一実業<8059>(東1)の株価は、7月2日に497円を付けて1月高値493円を突破し、上げ足を速める形となった。
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2014-08-05 09:45